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ミステリの祭典

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死の統計
私立探偵スパナー、カウフマン警視

作家 トマス・チャステイン
出版日1979年03月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点
(2012/08/31 20:22登録)
カウフマン警視シリーズの番外編ということですが、元のシリーズを読んだことがないため、他作品とのスタイル比較はできません。しかし本作に限って言えば、私立探偵が活躍するハードボイルドで、途中にマーロウやサム・スペードの名前も(実在の人物という設定でしょう)出してきています。カウフマン警視を始めとするたぶんシリーズの常連警官たちは、脇役に徹しています。
この私立探偵スパナーの女性関係が奇妙で、印象に残ります。離婚歴2回で、その2人の元妻と一緒に探偵事務所をやっているという設定なのですから。そんな人間関係を嘘っぽく感じられないようにまとめあげる作者の手際は、たいしたものです。
事件の展開も、スパナーによる目撃から死体盗難、行方不明者とのつながりの有無、さらに起こる殺人など、おもしろくできていますし、各章の始めに添えられている小見出しというか引用の中にも伏線を入れてあるなど、よくできた作品です。

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