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ミステリの祭典

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パンドラの匣
カウフマン警視、私立探偵スパナー

作家 トマス・チャステイン
出版日1978年01月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点
(2015/09/13 12:02登録)
訳者あとがきによれば、この作家についてディクスン・カーが「ストーリーの語り口にかけては達人、人物の特徴描写にかけては抜群」と言ったそうですが、このカウフマン警視シリーズ第1作を読んでみると、確かにカーが気に入りそうな作品です。
一応警察小説に分類はしましたし、実際カウフマン警視が署長を務める16分署を中心とした警察の活躍が描かれているのですが、一方で犯罪者(窃盗犯)グループ側からの部分もあり、ストーリーは銭形警部対ルパンⅢ世的とも思えるほどはったりのきいたアイディア溢れる展開でした。何しろ盗みの対象は、メトロポリタン美術館所蔵のレンブラント、ピカソなど古今の名画5点で、大胆な計画を見せてくれます。
カウフマン警視の私生活がしつこく説明されているのは、第1作だからだとしても、さすがにくどすぎると思いましたし、結末がちょっと後味の悪いのは、どんなものかなあという気もしましたが。

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