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ミステリの祭典

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怪奇探偵小説集③
鮎川哲也編

作家 アンソロジー(国内編集者)
出版日1984年10月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 Tetchy
(2010/04/22 17:02登録)
印象に残ったのは「生きている腸」と「墓地」と「壁の中の女」ぐらいか。
「生きている腸」はなんといっても死者から取り出したばかりの腸が生きているというアイデアがすごく、これがやがて一個の生物として動き出すという奇想を大いに評価したい。最後のオチに至る仕掛けは盆百だが、このアイデアだけで価値がある。
「墓地」はショートショートぐらいの小品だが、最後まで自分の死を信じない男の独白が結構シュールで好みである。「壁の中の女」は最後のオチが良かった。

怪奇小説というよりも残酷小説集の感が最後まで残った。鮎川の怪奇小説に対する考え方は前時代的だったと証明したに過ぎない選集だったのではないか。

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