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ミステリの祭典

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検察審査会の午後

作家 佐野洋
出版日1995年05月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2010/04/23 18:51登録)
佐野洋氏といえば辛口批評が有名でミステリー界のご意見番といった感じだが、同氏自身の多数のミステリーの中では超傑作の代表作ってあるのだろうか?あまり聞かないし、私はまだめぐりあっていない。それでも本書は、渡瀬恒彦主演のドラマが放映されたときタイムリーに読んだせいか、数すくない同氏の既読本の中では比較的よい印象が記憶に刻まれている。

検察審査会といえば今の裁判員制度の先輩格にあたるもの。審査会には選ばれた市民が参加するわけだから、そこには素人探偵が生まれるという発想だ。「十二人の怒れる男」の国内簡易版といった感じかな。いま脚光を浴びている裁判員とちがって地味だけど、目の付けどころはよかったと思う。ドラマで初めて知った制度であり、また連続ドラマと並行しながらの読書だったので、そこそこ楽しめた。有罪、無罪ではなく、「起訴相当」「不起訴相当」という最終結論の呼び方が新鮮に感じられた。

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