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ミステリの祭典

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スピレーン傑作集2/ヴェールをつけた女

作家 ミッキー・スピレイン
出版日1972年11月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2019/02/27 23:41登録)
1950年台に発表されたスピレインの中短編4編を収録。
『立ちあがって死ね!』は最後の方ご都合主義なところもありますが、そんなところもまた楽しめる娯楽アクション・ハードボイルド中編です。
次の表題作中編については、訳者でもある小鷹信光の詳しい巻末解説に、なんとジョン・エヴァンズによる代作であるという、本作掲載誌に後年書かれた記事(編集前記)が紹介されています。SF設定を背景に持っていても、いかにもスピレインらしい語り口で、小鷹氏は初期マイク・ハマーもののパロディと主張しています。スピレイン自身が創作にどの程度関与していたにせよ、他の人が書いたからこそのあまりの「らしさ」かなとは思えます。
短い『殺しは二人で』と『性はわが復讐』はミステリとは言い難い作品で、特に後者は性と社会についての作者の哲学を小説の形で書いたものといった趣です。

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