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ミステリの祭典

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本格推理⑪奇跡を蒐める者たち
鮎川哲也編

作家 アンソロジー(国内編集者)
出版日1997年11月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 Tetchy
(2010/04/16 22:42登録)
打率は5割といったところ。野球の記録ならば大記録だろうが、アンソロジーでは上のような点数になる。

今回の作品の中では「キャンプでの出来事」と「暗い箱の中で」が良かった。前者はキャンプに同行した友人が遠く離れた人にメッセージを伝えるといった稚気溢れる好編で、真相はアンフェアぎりぎりだが、小説として愉しめたのが大きい。後者は今をときめく石持浅海のアマチュアデビュー作で停止したエレヴェーターの中で起こった殺人を扱ったもの。この頃から現在の萌芽が垣間見れるのが興味深い。

その他笑い話のような「イエス/NO」、クリスティの『オリエント急行の殺人』を髣髴とさせる「黄金の指」、ショートショート並に短いながらも強い印象を残す「この世の鬼」などがよかった。

最後の3編はガチガチの本格過ぎてパズル以外何物でもないという印象が強い。とくに最後の「つなひき」はあまりにも高等すぎ、また作中作も冗長で途中でどうでも良くなってしまった。

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