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ミステリの祭典

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メランコリー・ベイビー
サニー・ランドル

作家 ロバート・B・パーカー
出版日2005年11月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点
(2010/04/10 13:29登録)
2年ほど前、グーグルの村上憲郎氏が著書で、英語上達のために筆者の作品を翻訳に触れる前に原書で読むことを薦めていたことから知った作家です。早速、挑戦と勢い込みましたが、その後すぐ、古本屋で本書(もちろん和書)を見つけ、即購入してしまいました。もうそのときは原書のことなど頭から消え去っていました(笑)。本作はストーリーはテンポよく、文章も地の文、会話文ともに短文、軽妙でわかりやすく、読みやすいことが特徴です。おそらく英文も同様に読みやすいのでしょう。村上氏が薦めることに納得しました。

物語は、主人公の女探偵サニー・ランドルが女子大生サラから親探しの依頼を受けて真実を追う話に、サニー自らの別れた夫との問題が絡みながら進行します。親探しのほうは中盤、調査に絡んで殺人事件が発生してすこしはミステリーらしくなりますが、サスペンスも意外性もハードボイルド性もほとんどなく、まったくの肩透かしに終わりました。本書はおそらく、シリーズ第1作からのファンが、常連登場人物の気が利いた洋画のようなセリフや行動を楽しむ、そんな作品なんだと思います。なお、文庫本の裏表紙のハードボイルド作品であるとの説明には、ちょっとうなずけません。

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