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ミステリの祭典

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ベルリン・コンスピラシー

作家 マイケル・バー=ゾウハー
出版日2010年02月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 Tetchy
(2010/04/08 22:04登録)
いやあ、バー=ゾウハーの新作がまさか読めるとは思わなかった。なんと原書刊行2008年。正真正銘の新作だ。

ロンドンで宿泊していた男ルドルフがベルリンのホテルで警察に叩き起こされ、そのまま逮捕されてしまうという、いきなり窮地から始まる。その逮捕もなんと60年以上も前に犯した元ナチス将校殺害事件の容疑者として。
この過去の怨念との戦いと、ルドルフを誰がロンドンからベルリンへ運んだのかという謎を探るうちに、恐ろしい陰謀(コンスピラシー)に行き当たる。

往年のスピード感には及ばぬ物の、二重三重に判明する複層構造の謎はさすが。
大きな秘密が明かされるに至って、本来のテーマがなおざりにされがちなのだが、この作家は最後そのテーマについても決着をつける。
バー=ゾウハー、なんと誠実な作家なことか。

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