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ミステリの祭典

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怪奇探偵小説名作選〈8〉日影丈吉集―かむなぎうた

作家 日影丈吉
出版日2003年07月
平均点8.00点
書評数1人

No.1 8点 kanamori
(2010/04/23 18:04登録)
幻想ミステリ短編選集、全16作収録されている「ちくま文庫」版。
舞台背景が、田舎、フランス、台湾のものや都会の幻想譚などバランス良く配置されていて、著者の短編全体を俯瞰できるラインナップだと思います。
表題作の「かむなぎうた」と「狐の鶏」は共に既読ですが、別格の完成度で本格ミステリ趣向と怪奇幻想趣向が融合した傑作です。特に表題作は、最後に一応の真相が明示されても、別の真相があるんじゃあないかと思わせる点が秀逸です。
ほかにも、怪奇話が現実的な殺人の罠に反転する「吉備津の釜」、大蛇を巡る軽妙話が怪奇譚になる「王とのつきあい」、武田勝頼家臣の戦国残酷譚のはずが亡きバーの女給へのオマージュに変わる「饅頭軍談」など、一筋縄ではいかない秀作揃いの短編集で堪能しました。

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