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ミステリの祭典

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シナオシ

作家 田代裕彦
出版日2005年12月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 江守森江
(2010/04/02 09:10登録)
ラノベ・レーベルで先頃廃刊した富士見ミステリー文庫の代表的作品。
幾つかのブログでラノベと侮れない衝撃的な作品と書評され高評価だったので図書館で借りてみた(注:表紙の絵だけで大人は購入し辛い)
時を遡り人生を為直す〈シナオシ〉によるタイムパラドックス・サスペンスに装ったロジカル叙述ミステリ。
叙述と多重構造(仕掛け)に驚ければ高評価も頷ける作品ではある。
但し、タイムパラドックスを用いたトリックの説明はロジカルかつ親切で読み応え充分だが、タイムテーブル系の作品が苦手だと非常に難解かもしれない(理解に時間を要し驚きの到達が遅くなる可能性大)
ここまでが採点対象な書評。
※以下ネタバレしながらの私的な感想。
読んでみようと思われた方はスルーして下さい。
目次を見て偶数章は数字、奇数章は漢数字な事から一つの仕掛けは直ぐに察した(同時期発表の東川篤哉「交換殺人~」と同手口)
更に、主要登場人物である〈今見かずみ〉〈水上舞〉の2人の名前からもう一方の仕掛けも察した為にドンデン返しまで読み切ってしまい驚きが無かった。
それでもネチっこくロジカルな種明かし解説はミステリとしての納得が得られた。

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