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ミステリの祭典

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こぼれおちる刻の汀

作家 西澤保彦
出版日2010年03月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2014/11/16 16:09登録)
カデンツァ、オブリガート、コーダのそれぞれA、B、C、全9章からなる作品。それぞれ即興演奏、助奏、終結部等と訳されるそんな音楽用語が章見出しになっているにもかかわらず、音楽とは一切関係ない内容です。カデンツァが遠未来、オブリガートが近未来、コーダが現代を舞台にしています。SFとミステリの融合と謳われていますが、むしろ章立てによる並列と言った方がいいように思われます。
並列といえば、本作のSF部分でも時空のあり方に対するいわゆる並行宇宙の発想がメインになっています。元々ハードSFには謎解き要素を含んだものが多く、ホーガンの『星を継ぐもの』は現在の物理法則の延長上だけで構成された純粋なミステリと言えますが、本作にはむしろ小松左京の『果てしなき流れの果に』等にも通じるところがあります。
コーダのホワイダニット・ミステリには違和感があり、むしろ純粋なSFにしてもらいたかったですね。

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