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ミステリの祭典

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夜行列車
牛尾刑事シリーズ

作家 森村誠一
出版日1992年12月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点
(2019/08/11 22:38登録)
220ページほどという、森村誠一にしては短めの長編です。講談社文庫の帯には、「ドラマティックミステリー 本格長編推理傑作」と書かれていますが、「本格」ねえ、という感じはします。謎解き的な部分としておもしろいのは、ひき逃げと殺人の犯人が逮捕されても、まだ謎は残っているという構成と、最後の決め手となる証拠だけでしょう。全体的な流れを読後に振り返ってみると、あまりに偶然が多いですし、後段の犯人設定に何の工夫もないことにがっかりさせられます。容疑者が浮かんできた段階で、もう一ひねりあるのではないかなと、この段階に入った部分を思い返して予想したのですが、違っていました。
細かく言えばナンバープレートに指紋がその時期まで残っているかといった疑問もありますが、それより容疑者を逮捕する時、隠し玉の証拠があるから逮捕に踏み切ったことだけは読者にも説明しておくべきでしょう。

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