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ミステリの祭典

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密室の妻
伝法義太郎シリーズ

作家 島久平
出版日1962年01月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2013/05/26 18:04登録)
(ネタバレなしです) 1962年発表の伝法義太郎シリーズ第2作ですがシリーズ前作の「硝子の家」(1950年)と比べるとハードボイルド要素が増えた、というよりずばりハードボイルド小説と言ってもいいかもしれません。過激ではないけど暴力の直接描写があり、探偵役の伝法のアクション場面も見られます。本格派推理小説としての推理による謎解きもありますが書かれた時代が本格派に逆風が吹いていた時期なので純然たる謎解きに徹した作品は発表しにくかったのかも。結末の伝法と犯人のやり取りは笠井潔の矢吹駆シリーズに見られる思想対決にも通じる重苦しいサスペンスに満ち溢れており、強烈な読後感を残します。

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