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ミステリの祭典

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赤く灼けた死の海
トラヴィス・マッギー

作家 ジョン・D・マクドナルド
出版日1987年10月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点
(2018/02/03 08:33登録)
原題は "The Empty Copper Sea" ですから、ただの赤ではなく赤銅色です(以前に『赤い雌狐』があります)。色付きタイトルのシリーズなのですから、ただの「赤」は別出版社から出ていたにしても、全く同じ色は避けるべきじゃないでしょうか。
トラヴィス・マッギー・シリーズの中でも、邦訳があるものの中では最も新しい作品です。直前作の『レモン色の旋律』をminiさんはハードボイルドに投票されたと書かれていますが、本作も文章さえそれっぽくすれば、典型的なハードボイルドと呼べそうなストーリーです。まあバウチャーが、作者を取り違えて読んでも失望しないだろうと言っていたロス・マクみたいな深みを期待すれば、不満があるかもしれませんが、それでも結末には意外な哀しみがあります。真相はこんなところかなと予想できるものの、心理的な矛盾があり迷っていたのですが、なるほど、そういうオチでしたか。

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