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ミステリの祭典

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フレッチ/死の演出
フレッチ

作家 グレゴリー・マクドナルド
出版日1986年07月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2017/02/24 22:46登録)
一応ユーモア・ミステリとして登録しましたが、人によって当然笑いのツボは異なるにしても、吹き出すとか大笑いするとかいった感じはありません。気の利いたセリフやリアクションでニヤニヤさせる、あるいは本来なら困った状況もユーモラスに捉えてみせるタイプと言えるでしょうか。まあ、フレッチがモクシーとその父親を一種の避難場所として密かに連れて行った家に、大勢の映画関係者が押しかけて来るはめになるあたりが最も単純に笑えるシーンでしょうか。
これまた一応ですが、メインになる殺人は不可能犯罪です。浜辺で数台のカメラに捉えられていた映画プロデューサーが刺殺されながら、刺された方法がわからないという謎です。ところがその不可能性が、あいまいな印象を受けるのです。途中で殺人方法についての議論も出てくるのですが、殺人状況設定が明確にされていないのが、トリック自体の出来よりも不満でした。

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