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ミステリの祭典

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ナイトフォール
ジョン・コーリーシリーズ

作家 ネルソン・デミル
出版日2006年09月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 Tetchy
(2010/03/15 21:33登録)
題名の意味は『黄昏』。物語の結末にあの事件を持ってきたこの作品にはそれがよく似合う。

1996年に起きたTWA800便の旅客機が墜落した事故の一部始終を収めたと云われるビデオテープの在り処とそれを撮った不倫カップルを捜し当てるのがメイン・テーマとなっているが、ジョンがカップルの片割れ、ジル・ウィンズロウに辿りつくのは下巻の中盤で、それ以降は派手派手しい争奪戦というより、宿敵ナッシュとの諜報戦となり、「動」よりも「静」の闘いといった展開で期待外れだった。

物語はこの後の展開を予告するような形で終わるため、非常に興味深い。どうも今作はその次回作のための長大なプロローグのような気がしてならない。でないと、あまりに単調すぎる。
次回作こそ、ベトナム戦争に区切りをつけたデミルが21世紀にして新たに出会った驚異に立ち向かう渾身の作品になるに違いない。

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