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ミステリの祭典

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チャーム・スクール

作家 ネルソン・デミル
出版日1996年01月
平均点10.00点
書評数1人

No.1 10点 Tetchy
(2010/03/07 00:57登録)
タイトルの意味は「花嫁修業学校」。しかしこの穏やかなタイトルとは裏腹に内容は骨太の大傑作。ロシアという閉鎖的な大空間においてありとあらゆる人々の人生が錯綜し、壮大なる絵画を描く。

デミルは登場人物一人一人に哲学をしっかりと設定する。そして彼らがその己の規範に従い、時には呪縛を感じながらも行動する。一人一人が脈打つ実在の人間のようだ。この小説は単なるエスピオナージュ、スパイ小説ではない。人生讃歌である。誰一人として単なる主人公の引き立て役の駒で終わっていない。そういっても過言ではないだろう。特に最後に杓子定規な正義が成されなかった点。ここに人生を生きることの難しさとデミルのアイロニーを感じた。

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