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ミステリの祭典

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黒水仙
父・藤雪夫との合作/菊地警部シリーズ 

作家 藤桂子
出版日1985年10月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 kanamori
(2010/03/26 23:18登録)
「獅子座」に続く菊地警部シリーズ第2弾。鮎川哲也「ペトロフ事件」と賞を争った藤雪夫の「渦潮」を娘・桂子が改稿したもの。
前作同様、本格ミステリの展開から、後半に犯人像が浮き彫りになってから俄然面白くなりました。
密室殺人のトリックは中盤早々明らかになり、あとはアリバイ崩しになりますが、「心理的既成事実」を使ったアリバイトリックというのが目新しく、捜査陣が少しづつ暴いていく様は緊迫感がありました。
しかし、なんといっても一番の読み所は、異常な犯人像の設定です。幼少の頃からの体験を丁寧に描写し非常に存在感を持たせています。タイトルの二重の意味を浮き上がらせたエンディングも見事です。

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