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ミステリの祭典

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死神博士
神津恭介・少年物

作家 高木彬光
出版日1951年01月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 江守森江
(2010/03/17 11:56登録)
今では「朝日ソノラマ」で出版された版すら入手困難になり一部ファンの間では復刊が待たれる作品。
神津恭介対死神博士の少年向け探偵冒険活劇としては乱歩の怪人二十面相物を彷彿させ懐かしさと嬉しさがこみ上げてくる。
フーダニットにあたる死神博士の正体や最初の手術のホワイダニットなんか実に作者らしい。
ここまでなら満点に近い評価なのだが、架空の薬品を用いた操りと、そこから紐解かれる密室ハウダニットは(冒険活劇主体な事を考慮しても)適用ルールの明示がなくフェアさを欠き、推理する楽しみを少年達に普及する意味では適していない。
彬光は少年向けになるとルールを明示しない架空設定を謎やトリックに運用している事が多々あり残念でならない。

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