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ミステリの祭典

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ミスター・マーダー

作家 ディーン・クーンツ
出版日1998年06月
平均点3.00点
書評数1人

No.1 3点 Tetchy
(2010/01/29 22:15登録)
主人公マーティは作家クーンツをどことなくタブらせる存在で何にせよキングの『ミザリー』に触発されて書いたのは間違いない。キング作品は未だに読んだことがないので比べることは出来ないのだが、世評の高さを鑑みるに軍配はキングに上がったようだ。
サスペンスの盛り上げ方としてクーンツはこの上なく、物語の核心を出し惜しみして最後まで明かさない。この小説作法がずっと残っており、今回もまたそうである。
この手法は読者を最後まで飽きさせない、最後まで付き合わさせる方法としてはかなり有効なのだが、明かされる真相が読者のじれったさを解消するカタルシスを伴うか、もしくは読者の度肝を抜く衝撃の真相でなくてはならない。『ウィスパーズ』然り、『雷鳴の館』然り、最近では『バッド・プレース』がそうであった。
しかし今回は設定が’70年代SFの領域を脱していなく、ある物語の典型を活用にしたに過ぎない。作中やたらと『スタートレック』が出てくるのも作者もそれを知ってのことかもしれない。
物語に絡んできた「ネットワーク」の連中も主人公に降りかかる色々な災厄を連想させつつ、結局何もしなかったというのも肩透かしだし、マーティとアルフィーの最初の対決と最後の対決で何が変わったのかと云えば実は何も無く、子供が攫われそうになった分、初回の時の方がスリルがあった。最初の対決だけで物語は終えるべきだった、そう思わせる駄作でした。

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