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ミステリの祭典

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アイスバウンド

作家 ディーン・クーンツ
出版日1997年04月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 Tetchy
(2010/01/25 22:18登録)
クーンツ初の本格冒険小説は、やはり他の作品と変わらず、実にクーンツらしかった。
欧米の水不足を北極の氷山の欠片を持ってくることで解消しようという田中芳樹の冒険小説を髣髴とさせる大胆な設定を皮切りに、いきなりの海底地震によって寸断された氷山に取り残されたプロジェクト・チーム、彼らを襲うのは皮肉にも自らが仕掛けた爆弾だった。しかも途轍もない嵐によってあらゆる救助は不可能。そして正体不明の殺人鬼がメンバーの中にいる。
どこまでも読者を飽きさせないこのサービス旺盛さ。あいかわらずメンバーの個性は類型的だが、読んでいる最中は気にならない。
アリステア・マクリーンに敬意を表した作品だというが、私は彼の小説を読んでいないので正当な判断はつかないけれど、どうもその域には達していないように思われる。
この過剰なるサービス精神が名作を残すのを妨げているように思われるのだが、どうだろうか?

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