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ミステリの祭典

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文豪のミステリー小説
山前譲編

作家 アンソロジー(国内編集者)
出版日2008年02月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 メルカトル
(2022/03/14 22:44登録)
推理小説や探偵小説だけがミステリーではない。人間の心を深くそそる謎、それが本来のミステリーである。ユーモラスな語り口の中に非日常の世界をのぞき見る夏目漱石「琴のそら音」、真相のありかそのものを問う芥川龍之介「藪の中」、理化学トリックの幸田露伴「あやしやな」、思いもよらぬ犯罪を暴き出す大岡昇平「真昼の歩行者」など、名作九篇を厳選。
『BOOK』データベースより。

芥川龍之介の『藪の中』目当てに買いましたが、正直ミステリと呼べるような作品は皆無でした。辛うじてミステリ的趣向の垣間見える大岡昇平の『真昼の歩行者』が捻りが有ってちょっと良かったかなと思いました。あとは大佛次郎の『手首』、岡本綺堂の『白髪鬼』がホラーテイストでまずまずの出来。

夏目漱石は当て字が多いし、訳が分からないし。幸田露伴に至っては文語体というのか、まるで古文を読み易くしたような文体で、最後まで読んだ自分を褒めてやりたいというのが感想ですかね。これも意味不明でした。肝心の芥川に関しては、なるほどと思った程度で、然して感慨は湧きませんでした。
餅は餅屋という言葉があるように、文豪と言ってもミステリに関してはアイディアと言い、構成と言い、意外性と言い、現代のミステリと比べるべくもない凡作が多く、まあこんなのも書いていたんだなという位にしか思えませんでしたね。

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