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ミステリの祭典

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琵琶湖殺人事件
ルポライター浦上伸介

作家 津村秀介
出版日1991年05月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2022/12/28 22:45登録)
1991年に発表されたルポライター浦上伸介シリーズの作品。大学4年で浦上の取材アシスタントのような存在の前野美保も活躍します。美穂は前年の『浜名湖殺人事件』では事件関係者だったそうで、読んだことがあるのに全く記憶にありません。ともあれ、写真アリバイ・トリックを崩すきっかけの事実に気づいたのは彼女です。
この、容疑者が最後に提出してきた写真によるトリックは、ちょっとおもしろい事実を基にしているのですが、文章で読めば何となく可能そうでも、実際の写真の構図としては無理があるのではないかとも思えます。また、それより前の鉄道や飛行機を利用したアリバイの方は、浦上が見破るのですが、これは警察がそれ以前に気づかなかったのがおかしいという程度のもの。アリバイ・トリックよりもむしろ、前半のミッシングリンク的な興味と、犯人設定の珍しさの方が、うまくできた作品だと思います。

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