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ミステリの祭典

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異域の死者 上野着17時40分の死者
ルポライター浦上伸介

作家 津村秀介
出版日1989年03月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2019/04/17 23:01登録)
カバーの作品紹介では「複数の容疑者が捜査線上に浮かび上がってきた。しかし、その誰もが完璧なアリバイを主張していたのだ。」となっていますが、実際には容疑者3人のうち1人は、自分にはアリバイがないと言っていますし、もう1人は遠くにいたのでアリバイが成立するんじゃないかぐらいのことしか言っていません。最後の1人は、誰かが身代わりになってアリバイを提供したのではないかと疑われています。
それぞれの容疑者についてアリバイが成立するかどうかを、ルポライターの浦上が詳しく調査していくと、(1人については警察の捜査で判明するのですが)全員にアリバイが成立することがわかるというプロットは、なかなかおもしろくできています。しかし真犯人のアリバイトリックの肝心要の部分が、浦上のようなジャーナリストなら騙せても、警察の取り調べに対しては絶対通用しないものなのは、問題があります。

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