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ミステリの祭典

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虚像の砦

作家 真山仁
出版日2005年07月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 E-BANKER
(2011/08/05 23:27登録)
「ハゲタカ」シリーズで有名な作者が、テレビ業界の内幕に鋭く切り込んだ作品。
タイトルは「メディアのとりで」と読ませる。
~中東で日本人が誘拐された。その情報をいち早く得た民法PTBディレクター・風見は、他局に先んじて放送しようと動き出すが、予想外の抵抗を受ける。一方、バラエティ番組の敏腕プロデューサー・黒岩は、次第に視聴率に縛られ自分を見失っていった。2人の苦悩と葛藤を通じて、巨大メディアの内実を暴く~

こういう企業小説を書かせたらうまいですねぇ。
TV局という、一般人には分かりにくい世界の内側や、TV局を監督する総務省の役人、そして圧力をかけようとする政治家・・・
それぞれの登場人物たちが自身の職務や利益、その他諸々のために行動する姿がリアリティ十分に描かれてます。
(まぁ、現実に起こった事件をモデルにしてますので、読むほうにも分かりやすい)
中盤以降の大きな陰謀をめぐった虚虚実実の駆け引き、そしてラストで1つの決着がつく。
まぁ、TVというかメディアの善悪論というのは昔からよく言われてる題材ですが、いろいろ考えさせられました。
(視聴者にも責任があるということでしょうけど・・・)
何よりも、登場人物が生き生きと書かれてるのがいいですね。
(風見のように、善は善、悪は悪と筋を通せる企業人になれたらなぁ・・・結構難しい!)

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