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ミステリの祭典

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日曜哲学クラブ
哲学者探偵イザベル・ダルハウジー

作家 アレグザンダー・マコール・スミス
出版日2009年08月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点
(2021/11/29 23:28登録)
「寄り道だらけの知的な冒険」と作品紹介には書かれている女性哲学者イザベルのシリーズ第1作です。
そんな主役設定だけに、上品ではあるのですが、読んでいて、人間に対する見方が極端な紋切り型に感じました。作中の実例を挙げると、政治家はガンジーやマンデラなど「ほんの数人」を除けば「どうしようもなく大きくふくれあがったエゴ」の塊ばかりだという考え。人間の意外な一面を見せてくれ、だからこその意外性を演出する作家に親しんでいる者にとっては、不快感がどうしても拭えませんでした。
ところが、全体の8割近くなってあまりに突然、鼻や唇にピアスをしたチョイ役若者の登場を皮切りに、人は見かけによらないこともあり、第一印象に固執するのは危険だという主張が出て来て、以降はその考え方に基づいた真相解明になっていました。手がかりは明確なので、一応「本格派」と言えるのかなあ。

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