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ミステリの祭典

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20世紀の幽霊たち
改題、改稿『ブラック・フォン』

作家 ジョー・ヒル
出版日2008年09月
平均点8.00点
書評数1人

No.1 8点 Tetchy
(2009/09/04 00:07登録)
スティーヴン・キングの息子であることが近年になって発覚した新進気鋭のホラー作家の短編集。

結論から云えば、玉石混淆の短編集で、総体的な出来映えとしてはやはり佳作と云えるだろう。実質的な収録作品数が17作品というのが多すぎて、逆に総体的な評価を下げているとも云える。

個人的に好きな短編を挙げると、「二十世紀の幽霊」、「ポップ・アート」、「蝗の歌をきくがよい」、「アブラハムの息子たち」、「末期の吐息」、「ボビー・コンロイ、死者の国より帰る」、「自発的入院」の7編。
次点として「うちよりここのほうが」、「黒電話」―但し最終章も含んだ―、「寡婦の朝食」、「おとうさんの仮面」の4編。
そうつまりこれら11編で本書が編まれたとするとこの作品の評価はもう1つ、いや2つは挙がるかもしれない。

確かに彼は“書ける”作者である事は認めよう。
ただ未完の大器だという感が強い。
この後、彼がどのような奇想を提供してくれるのか、非常に興味深いところだ。

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