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ミステリの祭典

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キルショット

作家 エルモア・レナード
出版日1992年09月
平均点8.00点
書評数1人

No.1 8点 Tetchy
(2009/08/16 19:59登録)
ごく普通の夫婦が悪党たちの強盗事件に巻き込まれて命を狙われる羽目になるという、レナードよりもクーンツが得意とする“巻き込まれ型サスペンス”小説だが、レナードが書くと斯くの如き面白い読み物になるのかと感嘆した。

登場人物のリアルさにはさらに磨きがかかり、悪党のアーマンドやリッチーの思考などは正に本物の悪党のそれに思え、巻き込まれるカールスン夫婦、特に夫の鉄骨工ウェインは鉄骨工でしかわからない事をなぜこれほどまでに書けるのかと不思議でならなかった。

特にここぞという時に決めるセリフが今回は更に冴え渡っており、バシバシ決まりまくって心地よかった。

最後のシーンで本当の主人公が解る。この結末はレナードが描いていた物なのだろうけど、読み手側としてはまたしてもレナードにすかされてしまったと感じてしまう。これは読者がどのキャラクターに感情移入するかで変わると思う。

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