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ミステリの祭典

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スティック
スティックシリーズ

作家 エルモア・レナード
出版日1986年10月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 Tetchy
(2009/08/08 23:33登録)
『スワッグ』でフランクと組んで武装強盗を働いたスティックのその後の物語。
いやあ、先の読めない感はさらに拍車がかかってますな。

最初はムショ上がりの冴えない男だったのが、死地から逃げ延びた事で逆に己自身を見つめなおし、自動車泥棒を行おうとしたところで、バリーと知り合い、運転手に落ち着き、そこで株投資の世界に興味を持ち始めたかと思うと、バリーの付き合う愛人、妻、そして投資アドヴァイザーのカイルの3人と寝てしまうのだ。更にはバリーと主従の関係が逆転し、そしてバリーが企画した新作映画への融資をだしにチャッキーを獲物にして一大詐欺を起こそうとするのだ。
こんな物語に最後きちんとオチがつくのだからものすごい。
こういう話を読むとレナードが作ったのではなく、あたかもそういう話が実際にあってそれをレナードが小説にしたとしか思えない、それほど「作っていない」感じがするのだ。
しかし、あえて苦言を呈するならば、やはり行き当たりばったりで書いているなあという気持ちは払拭できない。
以前とは違い、さすがに色々読んできている現在では終わりよければ全て良しという手には乗らないぞという捻くれた思いが強く残るのだ。
まあ、こういう小説は有りといえば有りだがね。

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