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ミステリの祭典

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スプリット・イメージ

作家 エルモア・レナード
出版日1993年04月
平均点9.00点
書評数1人

No.1 9点 Tetchy
(2009/07/24 22:41登録)
レナードの作品に出てくる悪党というのは、ワルなんだがどこか憎めない人間くさいところがあるというのが定番だが、本作で出てくる富豪の男は今までにない、共感できない男であるのが特徴的だ。
自由気ままに暮せる金と、何もしなくても女が言寄ってくる容姿を備えた男。しかし渇望していたのは殺人への衝動。
当時サイコパス物が流行っていたが、これはレナード版サイコパス物。
最後の最後でギリギリに振り絞られた弓から矢が放たれる如く、怒濤の殺戮へ転じる展開は手に汗がにじんだ。
意外な人物が亡くなり、呆気に取られたが、幕切れは爽快感すら漂う。

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