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ミステリの祭典

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動物園の鳥
ひきこもり探偵シリーズ

作家 坂木司
出版日2004年03月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2019/10/26 10:12登録)
ひきこもり探偵シリーズの3冊目完結編にして初の長編。日常の謎系らしいこの作者のものでもひとつ、と気まぐれに選んでみたのですが、最初に読むべき作品ではなかったようです。
でも、とりあえず人間関係のねじれを暖かい筆致で解きほぐしていく話はおもしろかったですし、以前の同シリーズ作を読んでいることが必須という作りにはなっていません。まあレギュラー登場人物たちの関係が多少わかりにくいとは言えますが、長編なだけに、人物紹介にも筆を費やしています。
それにしても、日常の謎とは言え、また巻末解説では「警察や探偵などが介入してくる種類の騒ぎではない」と書かれていますけれど、本作で起こる動物虐待は、事件解決部分でも法律的扱いに触れられているように、れっきとした犯罪です。悪質な場合には警察が乗り出してくることもあり得ます。しかし本作の読みどころは、その虐待犯人が明らかにされた後の部分にあります。

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