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ミステリの祭典

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藍の悲劇
霞田兄妹シリーズ

作家 太田忠司
出版日2004年10月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2011/10/09 09:56登録)
太田忠司の作品を読んだのはこれが初めてですが。
いやあ、都市名シリーズと悲劇シリーズを同じ探偵役で書いているなんて、とんでもない図々しさです。まあ、それなりに楽しめたから、別に文句はないんですけれど。
本作はタイトルからして、あの名作の語呂合わせ。そのダジャレ感覚からしても、いくら悩める名探偵(むしろライツヴィルっぽいですね)だからといって、テイストはかなり軽め、浅めです。
事件自体は、日時がぴったり重なる偶然がさすがに気になりました。鍋が持ち去られた理由には最も感心したのですが、これは途中で明かされてしまいます。犯人指摘のロジックについては、もしその人物が「犯人なら、すべての辻褄が合う」というだけなので、これでは、このシリーズ・タイトルとしてはちょっと弱すぎます。
ラストについては、あの悲劇よりもむしろ国名シリーズに入れるかどうか議論のある作品を連想してしまいました。

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