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ミステリの祭典

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江戸川乱歩短篇集
二銭銅貨・D坂の殺人事件・心理試験・白昼夢・屋根裏の散歩者・人間椅子・火星の運河・お勢登場・鏡地獄・木馬は廻る・押絵と旅する男・目羅博士の不思議な犯罪

作家 江戸川乱歩
出版日1957年01月
平均点6.50点
書評数2人

No.2 7点 ミステリー三昧
(2009/07/03 14:27登録)
<岩波文庫>江戸川乱歩の傑作選です。
「奇妙な味」というジャンルがどんなものなのかを知れたことが一番の収穫でした。江戸川乱歩の作品では「変態妄想癖が激しい登場人物が繰り出す悪趣味な愚行」がそれにあたるのかな。本格推理を意識して書かれた『二銭銅貨』『D坂の殺人事件』『心理試験』は正直つまらなかったです。それらよりも「奇妙な味」に該当する『屋根裏の散歩者』『人間椅子』『鏡地獄』などの作品の方が楽しめました。以下それぞれの感想です。
『屋根裏の散歩者』・・・有栖川有栖の短編で似たのがあったのを思い出しました。本格的センスでいえば有栖川有栖の方が上ですね。でもどちらも捨てがたい。
『人間椅子』・・・タイトル通り過ぎて笑えた。ニヤニヤしながら読んでいましたが、終盤あたりで背筋から「ゾワッ」とする何かを感じずにはいられなかったです。ラスト数行のオチも利いていました。
『鏡地獄』・・・ジャニーズの嵐さんも番組で「鏡」を使った実験を幾度もやってましたね。ワクワクしながら観ていた人も多くいたでしょう。球体を使った変態プレイと似た実験もしていたけど身体への影響はないのかな?鏡の魔力は現代でも健在ということですね。
(2009/8/19追記)
新潮社『江戸川乱歩傑作選』の方が代表作だけを読む分には優れているので、この短篇集はあまりオススメできませんが、十分に楽しめることは確かです。

No.1 6点 江守森江
(2009/07/01 17:22登録)
「心理試験」「二銭銅貨」「D坂~」を同時収録した別の傑作短編集もある。
また、このサイトでは乱歩の場合、特例的に短編タイトル単独で作品登録され書評されている作品もある。
短編集として最低限読んでおくべき作品は網羅されているので、一応(少年探偵団物以外の)乱歩もかじってみようと思う方には持って来いだろう。
読むにあたって図書館利用が現実的で、地元図書館の蔵書如何で他の作品集での代用が可能な点を考慮して借りれば良い。

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