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ミステリの祭典

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「古き沈黙」亭のさても面妖
リチャード・ジュリーシリーズ

作家 マーサ・グライムズ
出版日1992年03月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 5点 nukkam
(2026/01/29 18:01登録)
(ネタバレなしです) 1989年発表のリチャード・ジュリーシリーズ第10作の本格派推理小説で、文春文庫版で600ページを越す大作です。過労のため休暇旅行中のジュリー警視がウエスト・ヨークシャーのイン(宿)の「古き沈黙」亭で妻が夫を射殺する場面を目撃するところがレジナルド・ヒルの「骨と沈黙」(1990年)をちょっと連想させます。8年前に少年が誘拐され、一緒にいた友人も同時にいなくなる事件があり、この夫婦は少年の両親でしたが警察の勧めで資産家である妻(少年の継母)が身代金の支払いを拒否して少年は戻らず未解決となっていました。ジュリーが妻を殺人に駆り立てた動機は何なのかを探ろうとするところは東野圭吾の「悪意」(1996年)や「希望の糸」(2019年)との親和性を感じる読者もいるかもしれませんが、本書では新たな事件を起こしたり終盤に派手な場面を挿入したりしているのが個性です。人間関係が複雑で真相はひねり過ぎの感もありますが、ちゃんと説明しているところはシリーズ前作の「『五つの鐘と貝殻骨』亭の奇縁」(1987年)から改善していると思います。

No.1 7点 Akeru
(2017/07/29 09:03登録)
ジュリー警視シリーズの中ではこれが白眉なのではないかと思います。
華麗な伏線の回収、手に汗握る展開、感動の結末、見事に三拍子揃えて来たと言えます。
一応、シリーズ物なので前作全てを読むか、最低でも第一作だけ読んでおけば事前準備はオッケーでしょう。

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