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ミステリの祭典

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白い夏の墓標

作家 帚木蓬生
出版日1979年04月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2009/06/11 16:55登録)
(少しネタばれあり)
主人公がパリの学会で、旧友が海外で自殺していたと見知らぬ老人から聞かされ、その旧友の墓参りと、その墓の墓守の女性へ封筒を渡してくれとの依頼を受ける。こんな謎が提示され、物語はミステリ感たっぷりに進行します。実は本作、細菌兵器の開発という政治的背景があり、そんな重い雰囲気に包まれた恋愛物語と評することもできるのですが、旧友の死の真相を追うストーリーは、ミステリとして十分に堪能させてくれます。
帚木氏の作品は、冒頭からミステリ要素をたっぷりと出してくれます。しかし、ミステリ作品とは限らないのが氏の特徴です。本作は、まちがいなくミステリだと思います。
本格にしか興味のない方にはお奨めできませんが、広義のミステリなら何でも、という方にはぜひ読んでほしい作家です。決して読みにくくはありません。

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