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ミステリの祭典

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ボルヘスと不死のオランウータン

作家 ルイス・フェルナンド・ヴェリッシモ
出版日2008年06月
平均点3.00点
書評数1人

No.1 3点 nukkam
(2009/05/25 17:00登録)
(ネタバレなしです) ブラジルのルイス・フェルナンド・ヴェリッシモ(1936年生まれ)は小説の他にコラムや漫画なども手がけています。2000年発表の本書は実在のアルゼンチン人文学者ホルヘ・ルイス・ボルヘス(1899-1986)を登場させた本格派推理小説です。(エラリー・クイーンの某作品に酷似しているパターンが気になりますが)ダイイング・メッセージと密室の2つの謎解きを中心に据えていますが、メッセージの解釈については途中で何度もああでもないこうでもないと議論が盛り上がっているのに、密室の方はちっとも意見が出ないまま終盤に至っているのが物足りません(大変古典的なトリックなので作者が読者にあまり期待させてはまずいと遠慮したのでしょうか)。時に文学的、時に神学的な会話が入り乱れて何が本筋なのかわからなくなり、(扶桑社文庫版で)200ページにも満たない短さの長編なのに読み終えるのに大変手こずりました。

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