摩天楼の密室殺人 クェンティン・ジャコビーシリーズ |
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作家 | J・C・S・スミス |
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出版日 | 1987年07月 |
平均点 | 7.00点 |
書評数 | 1人 |
No.1 | 7点 | nukkam | |
(2009/05/18 10:38登録) (ネタバレなしです) 米国の女性作家J・C・S・スミス(1947年生まれ)はジェーン・S・スミスというノンフィクション・ライターの別名義で(ほとんど違いがない名前ですね)、もと警官のクェンティン・ジャコビー(本書では56歳)を主人公にしたミステリーを書いています。前作の「少女が消えた街」(1980年)は普通のハードボイルド作品という印象しかありませんが1984年発表のシリーズ第2作である本書はハードボイルドに本格派推理小説の要素をたっぷりと注ぎ込んでおり、謎解き伏線も丁寧に張ってあって個人的には謎解きハードボイルドの中では上位に位置づけしています。麻薬や売春絡みではなく暴力シーンも控え目なのでハードボイルドが苦手な読者でも受け入れやすい作品です。またニューヨークの舞台描写に優れているのも長所の一つです。ただ本格派にかなりすり寄っているのでガチガチのハードボイルドファンの評価は分かれるかもしれませんが。 |