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ミステリの祭典

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城壁に手をかけた男
チャーリー・マフィンシリーズ

作家 ブライアン・フリーマントル
出版日2004年04月
平均点9.00点
書評数1人

No.1 9点 Tetchy
(2009/05/04 22:17登録)
今回はモスクワで起きた米露大統領射殺事件―1つは未遂―の現行犯がなんとイギリスからの亡命者の息子だという設定でチャーリーを事件の渦中に巻き込む。
いやはやよくもまあ斯くも多彩な設定を思いつくものである。
そしてまたもや英米露三国共同捜査グループが敷かれる。

こうやって書くと、このシリーズ、マンネリのような感じを受けるが、断じてそうではない。とにかく多面的・重層的に物語は交錯するので、全く飽きが来ないのだ。

最近私が観た映画にこれと非常に似た映画があった。それは『ヴァニシング・ポイント』という、これまた大統領射殺事件を扱った作品で、本作はあれに非常に似ている。いや逆か。あの映画はこの作品に非常に似ているのだ。

そしてシリーズ十?作にして、こんなサプライズを設けるフリーマントルの筆の若さ!この作家、本当に全く衰えを知らない!

ただ本作の終わり方は歯切れが非常によくない。そして本作以降、チャーリー・マフィンシリーズは刊行されていないようだ。
最後の花道を飾る意味でも、フリーマントルには老体に鞭打って、是非とも華々しいシリーズ最終巻を発表してもらいたいものだ。

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