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ミステリの祭典

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黄金をつくる男

作家 ブライアン・フリーマントル
出版日1985年07月
平均点8.00点
書評数1人

No.1 8点 Tetchy
(2009/04/20 22:36登録)
フリーマントルの手による経済小説である本書は、従来、彼の得意とするエスピオナージュの手法を存分に取り入れており、主人公である多国籍企業の会長を縦横無尽に世界中を駆け巡らせ、丁々発止の駆け引きをさせる。

昔、某滋養強壮剤のCMコピーに「24時間戦えますか?」というのがあったが、本書の主人公で南アフリカの鉱山会社会長のコリントンは文字通り、24時間戦う会長だ。
不眠不休で世界中を駆け巡り、情報を収集し、状況を好転させる。
このコリントンのあまりのスーパーマンぶりに失笑を禁じえなかったが、その辺はフリーマントル、危ういところで読者との距離感を埋めている。仕事はすごいが、女性と家庭には不器用な男という肖像をきちんと描いており、なかなかである。

作品が書かれたのは80年代初頭とかなり古いが、それでも世界経済の情勢を知る上でもかなりの情報が詰め込まれており、非常に勉強になった。

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