home

ミステリの祭典

login
暗い海 深い霧

作家 高城高
出版日2008年08月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2014/07/12 16:07登録)
創元社の高城高全集3に収められているのは、表題作など13の短編です。その表題作と『海坊主作戦』は当時のソ連とアメリカの関係を反映したエスピオナージュです。『微かなる弔鐘』もスパイ活動がらみの作品。いずれも当時の北海道北部の海沿いならではのプロットです。その3編だけでなく、今回は収録作のほとんどが北海道を舞台にしていることを明示していて、その地方の雰囲気が魅力になっています。
チンピラ二人組の犯罪小説『ノサップ灯台』、倒叙もの『死体が消える』、ユーモラスな小品『アリバイ時計』など、さまざまな作品が並んでいますが、解説に紹介されている作者の「ハード・ボイルドとは、私がヘミングウェイから学んだかぎりでは、対象をいかに目をそらさず直視し、それをいかに無駄のない言葉で記すかということ」という定義からすれば、ほとんどの作品がハードボイルドと言えるでしょう。

1レコード表示中です 書評