home

ミステリの祭典

login
赤岳殺人暗流
道原伝吉シリーズ

作家 梓林太郎
出版日1993年05月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点
(2012/06/30 12:00登録)
山岳ミステリの専門家ということで著書もかなりの数にのぼりますが、今まで読んだことがないどころか、名前も最近まで知らなかった作家です。
プロローグの遭難事故の後、殺人事件が発生してすぐ、2つのつながりはこれ以外ないだろうと予想できます。作中の警察も間もなくそのことに考えつき、容疑者は早い段階で1人に絞られます。さらに動機も自然にわかってきて、以前に起こった別の殺人事件との関係も明らかに…という展開です。で、後は容疑者がどうやって被害者を特定できたのかというところがポイントになってきます。それらの捜査が淡々と描かれていくのですが、平凡な作品という印象はぬぐえませんでした。
巻末解説では、この作家の特徴として人物造形の巧みさと的確な心理描写を挙げていますが、プロットだけでなく文章もあっさりと薄味すぎるように思えました。

1レコード表示中です 書評