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ミステリの祭典

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信濃梓川清流の殺意
旅行作家・茶屋次郎シリーズ「梓川清流の殺意」を改題

作家 梓林太郎
出版日1990年01月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2025/05/10 00:03登録)
30冊以上ある、旅行作家茶屋次郎を主役とするシリーズの大半には「川」がタイトルについていますが、これはその第1作。長野県出身作者のペン・ネームと同じ漢字の、松本市西方の梓川あたりを舞台にした作品で、最初のうち場所を紹介するのに参考資料からの引用が多いのは多少気になりますが、トラベルミステリらしい作品です。
第1作ということで、茶屋は殺人事件に巻き込まれ、容疑者扱いされたことで怒って、自分で真相を探り出そうとするのです。本作だけ見ると、刑事や私立探偵を主役にしたものと違い、たくさんの続編が書かれるようになるとは思えません。しかし茶屋と、その助手兼秘書のサヨコ、ハルマキに、週刊紙編集長山倉の掛け合い漫才は、確かに1作だけでは惜しい気もします。そのユーモアを特徴としたシリーズなのでしょうか。
過去を追っていく展開と、最後の落としどころはなかなかよくできていました。

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