home

ミステリの祭典

login
奥入瀬殺人渓流
山岳救助隊・紫門一鬼シリーズ

作家 梓林太郎
出版日1993年03月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2017/02/08 23:50登録)
梓林太郎を読むのは本作が3冊目ですが、初めてのアリバイ崩しものでした。トラベルミステリに多い時刻表の盲点を使ったものではありませんが、列車にどうやったら間に合うかという図々しいトリックもあります。
長野で山岳救助隊員である紫門一鬼(しもんいっき)を探偵役とするシリーズの第1作だそうで、北アルプスで起こった遭難事件に疑問を感じたことから、個人的に調査を進めていくという展開です。仕事の合間に少しずつ関係者に質問を重ねていくのですから、かなり長期間の調査です。
で、タイトルの奥入瀬渓流(青森県)での殺人は、その過程で関係ありそうな過去の事件として登場してきます。これは刺殺なのですが、他の事件は事故として片づけられていたもので、たとえ犯人の自白があっても、殺人として起訴できるかどうか疑問なほど不確実な殺人方法(未必の故意があると言えるか…)でした。

1レコード表示中です 書評