home

ミステリの祭典

login
延原謙探偵小説選
論創ミステリ叢書

作家 延原謙
出版日2007年12月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2016/05/06 23:22登録)
新潮文庫版ホームズ・シリーズの翻訳者が書いたオリジナル短編20編にホームズ贋作1編の翻訳、それに評論・随筆を40編ほど加えた選集です。なお、ホームズ贋作の『求むる男』は巻末解説によれば、最初ドイルの未発表作として発表されたものの後に贋作と判明したもので、延原謙は真作と信じて訳したそうです。この作品、ミステリとしては悪くないのですが、ドイルらしさはそれほどでもないと思いました。
20編目の『秘められた暗号』は1948年に書かれたジュヴナイルですが、暗号のアイディアは小酒井不木の某短編そのまんまじゃないですか。他は1925~1937年に書かれていて、約半分が、ホームズ翻訳者らしいと思えるような、年代の割に古めかしい謎解きタイプです。中には本格派黄金期らしい『N崎の殺人』もありますが。それ以外のタイプでは、犯罪小説の『腐屍』が殺人者の思い込みにうまくオチを付けて気に入りました。

1レコード表示中です 書評