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ミステリの祭典

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屍体配達人
プロファイラー クローディーン・カーターシリーズ

作家 ブライアン・フリーマントル
出版日2000年08月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 Tetchy
(2009/04/15 19:58登録)
ヨーロッパ各地で起こる連続バラバラ殺人事件を解決すべく、心理分析官クローディーン・カーターを中心に特捜班を作られる。クローディーンは外の敵だけでなく、内部の権力抗争にも巻き込まれる、というのはフリーマントルの定石的物語運び。

率直に云えば、可もなく不可もない作品。
職業作家としてのフリーマントルの職人技で作られた作品という印象が強い。それはこの小説で語られる事象が、ヨーロッパ各地で起こる凄惨な事件と平行して、自殺した夫に関するインサイダー取引疑惑、サングリエのユーロポールにおける自らの優位性を高めるための権謀術数など、色んな要素が絡み合っていることによる。
これがかえって事件への視点がぶれ、散漫な感じを強く受けた。

あと加えて傲岸不遜なクローディーンのキャラクターがどうしても共感を得ず、辟易してしまった。

これらこの小説を彩る内容は小説として非常に贅沢な感じを思わせるが、フリーマントルはこれらについてあまりに職人的すぎ、感銘を受けるには内容が薄いと感じた。

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