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ミステリの祭典

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ありふれた死因

作家 芦川澄子
出版日2007年10月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2015/09/07 21:49登録)
鮎川哲也夫人のミステリ集大成で、2~3ページほどのショートショート4編を含め、全17編の小説に、エッセイなども収録しています。
17編中『女に強くなる法』と『廃墟の死体』は問題編と回答編に分かれていますが、パズル性が変に強調されて不自然さが目立ち、好きになれません。真相もやたら複雑化しているだけという感じです。もう1編謎解き要素充分な『目は口ほどに』は、小説としてきれいにまとまっていました。
昭和34年の週刊朝日・宝石共催の探偵小説懸賞で一位になった最初の『愛と死を見つめて』は一人称形式でOLの疑心暗鬼が描かれて、確かによくできています。ただ巻末の資料集で、作者が結末に明快な答を出しているのは、むしろお好きに解釈してくださいと言った方がいいとも思えます。『マリ子の秘密』『村一番の女房』『ありふれた死因』等、アイディアはどうということもないのですが、さりげないタッチが味わいを出していました。

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