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ミステリの祭典

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薄灰色に汚れた罪
トラヴィス・マッギー

作家 ジョン・D・マクドナルド
出版日2007年02月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2013/05/27 23:14登録)
ジョン・Dのトラヴィス・マッギー・シリーズはハードボイルドに分類されることも多いようですが、本作を読んだ限りでは、いわゆる正統派だけでなくスピレイン等にもあったそれらしい香りはどうも感じられません。
殺された親友を経済的に追い詰めた連中をペテンにかけて痛い目に合わせるという筋立てですが、ひとつは完全に詐欺罪が成立する策略なので、だまされた悪役が泣き寝入りしたままとは限らないと思われるところが気になります。訳者あとがきなどで褒められているパスの最終的扱いも、スカッとする結末とは相容れない感じを与えていて、そういったミクスチャーな感覚がこの作家の特質なのかもしれませんが、気持ちよくきれいにまとめていないのも、日本では今一つ人気が出ない理由になっているのかもしれません。
それでも、個人的には同じマクドナルドでもフィリップよりは未訳作出版や絶版の再刊を望む作家です。

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