home

ミステリの祭典

login
ネクロポリス

作家 恩田陸
出版日2005年10月
平均点6.50点
書評数2人

No.2 6点 シーマスター
(2009/04/08 22:30登録)
年一度の「ヒガン」に死者と生者が訪れ様々にコンタクトするアイランドが舞台となるファンタスティック・ミステリ。

取りとめもない変事が思いつきのように無秩序に起きながらダラダラ進む冗長な話とも感じられるが、自分は本作の「雰囲気」に浸れたので読んでいる間は楽しめた。

薄い雲に覆われた静かな白い昼、そして灯火と酒と語らいの夜・・・・
少しゴシック調のボサノヴァが脳内に流れ続けているような読中感とでも言おうか・・・・
(まあ雰囲気に浸れるどうかは個人の感性だからね・・・自分が京極作品に浸れないのと同様に説明できるものではないよね)

惨い殺人や人間消失や壮絶な霊現象など、かなりおぞましかったり恐ろしかったりする事象も多いが、自分は何となくディズニーのアトラクションを回遊するのと近い感覚でストーリーを味わえた・・・・ホーンテッドマンション、ピーターパン、スノーホワイト等々・・・・
後出しジャンケンのように次々出てくる珍妙な行事は御伽噺の世界だし、来訪者達が三々五々ヒルトップでの集会に向かう情景などもメルヘンチックな印象だし、彼らの抗議デモなんぞも壮観なスペクタクルとなり遊興と化すものになっていく・・・

「真相」は正直どうでもよくなってくるが、映画じみた華賑なエンディングは、これだけ訳の分からないことが盛りだくさんの物語を通ってきた後だと気持ちいい。その直後(エンディングの直後というのもおかしな話だが)の、広大な星空の下に静かに座している「本作のキーパーソン」に、主人公が自分の考えを語りかける件(くだり)も清々しい。
そこで終わり、あるいは(実際付けてしまっている)エピローグでは現実的な情景に回帰してフェイドアウトという形にすればいいものを、妙なシーンを付け加えることによって折角のいい感じを無意味に損ねていると思う。何でこんなことすんのかね、恩田先生は。

何はともあれこういう小説は、エーゲ海に浮かぶ、統一色のレンガの建物が丘の斜面を埋め尽くす島のバルコニーのリクライニングチェアで、ワインクーラーに入れたシャルドネのボトルとグラスをサイドテーブルに置いて、少し不思議な色の空と海を臨みながら時を忘れて気の向くままに読み耽りたいものである・・・・・・・なんてね。

No.1 7点 ちぃ
(2009/03/06 23:30登録)
面白かったです!
この作者の作品は短編しか読んだことなかったんですが、読みやすくて最後まで飽きずに読めました☆ただ・・ラストがいまいちでしたね・・。

2レコード表示中です 書評