home

ミステリの祭典

login
灰色の栄光
私立探偵ポール・パイン/原書はハワード・ブラウン名義で刊行

作家 ジョン・エヴァンズ
出版日1985年02月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点
(2013/03/08 20:40登録)
この作家は初読ですが、本作の原書は本名のハワード・ブラウン名義で発表されたにもかかわらず、河出書房の翻訳はジョン・エヴァンス名義になっています。エヴァンス名義で出された私立探偵ポール・パインの「栄光」シリーズが3冊で中断した8年後に、この4冊目は本名で発表されたといういきさつだそうです。原題も直訳すれば「灰の味」というわけで、パターンをはずしています。まあ、最初は別名で出版されていたクイーンのあのシリーズだって、最終作タイトルはパターン外ですけれど。
少なくとも本作については、多少弱音も吐きながらも権力に立ち向かっていくパインの活躍を描いたまさにハードボイルドな感じで、チャンドラーやロス・マクに比べるとちょっと通俗的ではあるのですが、それだけエンタテインメントしているということでもあります。
事件全体の構成もロス・マクほど複雑ではないもののしっかりできた秀作でした。

1レコード表示中です 書評