ハリウッド・ボウルの殺人 ベン・ジャーディン |
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作家 | ラウル・ホイットフィールド |
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出版日 | 2000年09月 |
平均点 | 6.00点 |
書評数 | 1人 |
No.1 | 6点 | kanamori | |
(2011/06/02 22:20登録) 短い期間ながら’20~30年代半ばまでの約10年間、当時の有名なパルプ雑誌「ブラック・マスク」でダシール・ハメットと並ぶ人気作家だったホイットフィールドの私立探偵小説。 文庫解説によると、短編は多数同誌で発表しているものの、ハードボイルド長編は3作のみ、しかも私立探偵を主人公にしたものは本書だけらしい。 ハリウッド・ボウル(野外の円形劇場)での衆人環視下の殺人を発端とする本書、読後の第一印象は意外と謎解きの骨格が整ったフーダニット・ミステリだというもの。また、トーキーに移行した映画業界の変貌や、禁酒法によるギャングの横行をミスディレクションにするなど、この時代の背景がプロットにうまく溶け込んでいるように思える。ただ、主人公のベン・ジャーディンの人物造形がちょっと把握しずらいのが難点か。 書誌的な興味で読んでみたけれど、思っていた以上に面白く読めた一冊。 |